ネット小説☆女達のトラベリン・バス☆070

第参章 愛の唄


汐崎裕司は自宅の布団の中で悶々としていた。
時は2004年9月3日。ヤザワ・クラッシックⅡの東京公演の初日。

敏広から賢治、遥子、麻理子と飲みに行くとゆうメールが届くと言いようの無い嫉妬心の様な物が込み上げてきたのだ。


「やっぱり行けば良かった・・・」


人伝でこの日のチケットが一枚、余ってると聞いていたのだが最終日の5日のチケットを自分で確保していたので、それを断った。
だが後に麻理子が今回初日のみの参戦と聞いて裕司は死ぬほど後悔していた。
昨年の武道館で麻理子に出会って以来、裕司は片時も麻理子の事を忘れた事は無かった。


一目惚れであった。
今年に入って麻理子が新年会にも参加すると聞いた時は、また逢えると心が躍ったものの浮れ過ぎたのか前日に風邪を引いてダウン。
元はと言えば自分の体調管理の甘さが原因なのだが、この時ばかりは自身の運の無さを嘆いた。


その後『情事』こと真純に呼ばれ眞由美の店で思わぬ再開が出来た時は本当に嬉しかった。
またこの時、意外な事に麻理子は自分と共通点が多い事も知った。
好きな音楽は古い洋楽で特にビリー・ジョエルがお気に入りとゆう所。
しかも二人ともそれが親類の影響だとゆう点。
好きな食べ物はラーメンと丼物等のガッツリ系。
これは麻理子のイメージとは、かけ離れていたので少なからず驚きであった。
それから、お互い絶叫マシンが大好きだとゆう事等。
お陰であの日は話題に乏しい自分でも麻理子と楽しく会話する事が出来た。


尤もそれは一緒に居た遥子が色々と自分に配慮してくれたお陰なのだが。


そして眞由美のバースデー・パーティー。
ドレス姿の麻理子を見た時、本当に心が奪われる様な想いだった。
日に日に想いが募ってゆくが自分ではどうする事も出来ない。
こんな時に幼馴染の敏広の様に無節操な程に女の子に積極的になれたらと強く思うのであった。
そして先程、敏広から送られてきたメールには写メが添付されていた。
ネイビーブルーの艶やかなドレス姿の麻理子の画像。
思い出した途端に裕司の悶々は収まる所か益々膨れ上がってしまった。


「あぁ~~~っもう!!」


裕司は自身に起こった若い男特有の生理現象に嫌悪した。
今年に入ってから毎晩こんな調子である。
それに今日は画像とゆうオマケに煽られた様だ。
裕司は若さ故の欲望に勝てず今夜も麻理子に対して罪悪感を抱きながら、せっせと自分で処理をし始めた。


つづく

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