ヘロヘロになってもう追い駆ける気力も無くなった風に見える4人組を見て勝ち誇った様な顔の永悟。
その時
「神園」
「あっ!」
「その練習はこれで終わりだ」
校舎から出てきた3年生5人の中の一人が告げた。
「は、はい」
その5人は陸上部の主力メンバーで声をかけてきたのは部長である。
そこに今度は4人組がまた追い着いてきた。
「いい所に来てくれたぜ」
「この糞ガキの足止めあんがとよ」
息を切らせながら4人組は陸上部員に礼を言う。
「へっ、これでもう逃げられねえぞ!」
「ナメくさった分たっぷりお仕置きしてやっからよ!」
「何ならお前等も一緒にやっか?」
「さあ来いよ!!」
と4人組の一人が永悟の胸倉を掴もうとした時
「痛っ!」
部長がその手を払い除けた。
「な、何しやがる!」
「お前等こそ何を勘違いしてんだ?」
「あぁっ!」
「あぁっじゃねえぞ!この糞ボケがぁ!!」と副部長が凄む。
この副部長は砲丸投げ等のパワー系の種目専門で3年生の中で最もガタイが良いのでかなりの威圧感がある。
その凄みに飲まれる4人組。
「神園はウチの大事な選手だ。こいつに手を出すなら俺達が相手になるぞ」と部長。
「えっ?」部長の言葉に驚く永悟。
そして副部長と他3人が永悟をガードする様に立ちはだかる。
暫く睨み合いが続くと
「チッ!憶えてろよ!」
「夜道の一人歩きには気をつけな!」
陳腐な捨て台詞を残して4人組は去っていった。
「だっせぇーーーっ」
陸上部員の一人が奴等の背中に投げかける。
4人組の姿が消えた所で
「神園、お前やれば出来るじゃないか」と部長。
「あぁ。見直したぜ」と副部長が肩を抱く。
「は、はぁ」戸惑う永悟。
永悟が4人組に絡まれている事実は当然、陸上部員全員が知ってる事だったが永悟自身が全く抵抗するそぶりを見せた事が無いので根性無しは放っておこうとゆうのが3年部員の総意であった。
だが永悟が自ら戦う意思を示したら、その時は助太刀してやろうとゆう取り決めがあったのだが永悟は当然そんな話を知る由も無かった。
「あ、助けてくれてありがとうございます!」
思い出したかの様に深くお辞儀する永悟。
「そんな事より練習始めるぞ」
「は、はい!」
その時、千晶が小走りでやってきた。
「永悟の馬鹿っ!」
「な、何だよ急に?」
「あんな連中とやりあって怪我でもしたらどうするのよ!」
「・・・前に何で抵抗しないんだって言ったじゃないか」
「そうゆう事じゃないの!」
「じゃあどうゆう事だよ?」
「何で分からないのよ!」
「分かる訳無いだろ!」
「もう永悟の馬鹿っ!」
二人のやり取りに呆れ顔の部員達。
「神園、走り込みに遅れるなよ」
部長達は2人を残して部室に向って行った。
コメント
待ってました
また楽しみが出来ました
期待してます
大阪の永ちゃん狂いさん♪^^
お久し振りです
いつも嬉しいお言葉ありがとうございます
自画自賛になりますが決して退屈しない展開だと思いますんで
今後もヨロシクお願いします