ネット小説☆女達のトラベリン・バス☆121

思い掛けない来訪者に初めて出逢った頃の様に胸が高鳴る眞由美。

(BGMは♪SORRY…)

だがあの頃とは違う拳斗の風貌に自然と笑みが漏れた。

「随分、太くなっちゃったのね」

基本、筋肉太りなのだが痩せマッチョだった高校の頃に比べると身体のパーツ全てが太くなった事は間違い無い。

「そっちは変わらないな」
「綺麗になった位、言ってよ!そうゆう所は相変わらずなんだから」
「それも含めてさ」
「もう……」

カウンターに入ってゆく眞由美。拳斗は中央の止まり木に腰掛けると無言で持っていた花束を差し出した。
「あら、ありがとう」
嬉しそうな眞由美と違い何故か苦笑する拳斗。

「よくこの店が判ったわね」
「スミが教えてくれたんだ」
「なるほどね」

その真純が前日開店祝いにと、くれた花瓶に花を生ける。お節介な仲間だが有難い存在だ。

コースターとおしぼりをカウンターに置く。

「御注文は?」
「とりあえずビールをくれ」

冷凍庫から白く冷えたグラスを出しサーバーから手際よくビールを注ぐ眞由美。

「一杯、付き合わないか?」
「折角だけど勤務中は飲まない事にしているの」

ウーロン茶を注いだグラスを拳斗のグラスに合わせる。

「在り来たりだけど、再会に乾杯」

眞由美の言葉に無言でグラスを掲げる拳斗。
そして一気に飲み干す。

眞由美は黙って新しいグラスにビールを注ぎ拳斗の前に置く。

ふと拳斗は奥の壁に飾られているタオルに目を向けた。

「まだ持っていたのか」

かつて自分が餞別に渡したタオルに思いを馳せる。

「絆だから」と眞由美。
「それと貴方を愛した証……」

それを聞いて再び無言になる拳斗。

「それで?何の為に、わざわざ此処に来たの?」

何処か冷めた物言いの眞由美。

「…………運命を確かめに来た」
「何、言ってるのよ。奥さん居るんでしょ?」
「別れたよ」
「えっ?」

戸惑う眞由美。暫し互いの顔を見つめ合う。

「こっちへ来いよ」

眞由美は言われるままカウンターから出て拳斗の左隣の止まり木に座った。

つづく

コメント

  1. 大阪の永ちゃん狂い より:

    城ホ-ルライブ参戦から帰ってまいりました・・・
    つ、疲れた~
    でも満足です、やっぱ永ちゃん最高
    今年も終わったって感じです。
    永ちゃん、おおきにありがとう
    武道館参戦の皆さん、思いっきり弾けて来て下さい
    もう楽しみも無くなったなぁと、帰り道考えてましたが、
    拳斗と眞由美のなれそめがあったやん
    後はこれだけや、楽しみにしとりますんでよろしゅう頼んます

  2. AKIRA より:

    大阪の永ちゃん狂いさん♪^^
    毎度&城ホール参戦お疲れさまです
    サイコーに美味いビール飲んでゆっくり休んで下さいませ
    また、いつも励みになるお言葉ありがとうございます
    永ちゃんのコンサートには程遠いですが楽しんで頂ける内容だと思いますんでこちらこそヨロシクお願いします

  3. Chinatown より:

    今回のBGMもピッタリですね~♪
    この小説を携帯サイトで掲載すれば、人気間違いなしですよ(^-^)

  4. AKIRA より:

    Chinatownさん♪^^毎度ありがとうございます
    書きながら頭の中で♪SORRY・・・が流れておりました(笑)
    携帯からも一応閲覧出来るんですがアクセス数が反映されないのがガッカリです
    まぁ徐々に各方面に広げて行きたいと思ってますんで今後もどーぞヨロシクです

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