早いもので2006年のツアーも終わり年が明け眞由美の店で催される恒例の新年会。
昨年まで参加していた雄一郎と遥子が居ないのは寂しいが、この時は久しぶりに永悟と千晶が里香と共に訪れてくれた。
二人はもう高校生。
永悟は益々背が高くなり精悍な漢の顔になって千晶も髪をセミロングにまで伸ばし雰囲気も大人っぽくなっていた。
だがそれ以上に周囲を驚かせたのが二人が今では別々にカノジョ、彼氏が居るという事だった。
永悟は成績、普通レベルだが陸上部が強い都立高校に入学。
トップクラスの成績だった千晶は私立の大学附属の名門校に見事合格。
それぞれの学校で互いにパートナーを見付けた二人は今では普通に仲の良い従姉弟同士とゆう関係に落ち着いていたのだった。
だが、それでも中身までは大人と呼ぶには程遠く宴が始まると皆が知ってる永悟と千晶の普段の姿がよく見て取れた。
「その話は止めろって!」
「いいジャン!面白いんだから」
「よくねぇよっ!」
「未遂だったんだから気にする事無いでしょ!」
「あら、気になるわねぇ!面白そうじゃない」
「ほら!眞由美さんも聞きたがってる」
話は昨年、永悟が夏休み中にアルバイトをしていたカフェに来ていた客とのエピソードであった。
要約してしまうと、その客というのが実はホモで永悟は知らずにその男からの食事の誘いに乗ってしまい危うく自分が食べられてしまいそうになったとゆう話なのだが、これを聞いて千晶は大笑い。
事あるごとに、この話題を持ち出しては面白がっていたのだ。
そして、この話を千晶から聞いた里香も実の母親だというのに大喜び。当然この場に居るお仲間達にも馬鹿受けで永悟はうっかり千晶に打ち明けてしまった事を物凄く後悔していた。
笑いが一段落した所で
「こんばんはーっ!」
一人の男が来店してきた。
「恭平!」
「ギブさん!」
訪れたのはミスター・ギブソンであった。
「おぉ~!皆さんお揃いで!」
「アンタ誘ってないのによく来たわね」
「情事さん!そりゃ冷たいぜ!イベント有るなら誘ってぇよ!」
「新年会くらいで名古屋からワザワザ来る事も無いでしょうに」
「恭平!暫くやな!」
「おぉ!洋助!」
がっちり握手を交わすギブと洋助。
二人は互いが真純達のグループと繋がる以前からの古い付き合いであった。
「結婚式には出席出来んでホント済まなかったな」
「代わりに祝儀たんまり贈ってくれたやんか。おおきに!」
そのまま洋助達のテーブルに腰掛け
「そういえば眞由美姉さん体調の方はどうなの?」
「えっ?身体は別に何ともないわよ。何で?」
「いや、だって去年……一昨年だ。秋頃、此処に来たら店、閉まってたからさ」
例の臨時休業の時の事である。途端に眞由美が狼狽える。
「メールしても全然返事くれないし。地方組はみんな心配してたぜ」
「ちょ、ちょっとあの時は色々とあってね…………」
「色々って?」
「い、色々は色々よ!」
「何だよ気になるじゃんか」
「う、うるさいわね!私にだって色々事情が……」
その時
「アタシの乳を吸えぇーーーーーっ!!《127参照》」
洋助が叫ぶと眞由美のメンタルはマリアナ海溝よりも深く暗い奥底へと沈んでしまった。
「洋助っ!」拳斗が苦笑しながら嗜める。
その臨時休業時の様に暗くイジけてしまった眞由美。あの時の大暴走は現在の眞由美の最大のトラウマであった。
「な、何なの?チチとか………」
すると眞由美が
「みんな………今迄本当にありがとう……私……………明日から出家するわっ!」
「何わけの判らない事、言ってるのよ!」
涙声で、まさかの決意表明をする眞由美にツッコむ真純。
その時、また店の扉が開いた。
コメント
そんなことが有りましたね~(爆)
眞由美
男前で好きだわ~
ぺこちゃん♪^^
眞由美は作者のオレも結構お気に入りのキャラで予想以上に活躍して貰ってます
またヨロシクです