「解りました。では犯罪以外で人権を剥奪される場合も有るのでしょうか?」
「有ります。国民の三大義務を果たしていない場合は人権剥奪の対象と成る事も有り得ます」
「勤労、納税、教育の3つですね」
「まぁこれは前、憲法時代から引き継がれてますけど、当時は義務を果たしてなくても特に御咎め無しでしたので」
「では、一例として、いわゆる【ニート】も人権剥奪の対象と成るのでしょうか?」
「働けるのに働いてないのだから当然そう成ります。それと脱税は勿論、それから義務教育を修了していない者も含まれますね」
「先生、義務教育との事ですが、教育に関しては現在は、前、憲法時代の物より制度が大きく変わりました」
「仰る通り。昔は、ただ学校に通ってただけで勉強しなくても義務教育の過程を修了する事が出来ましたからねぇ」
「現行の教育制度に変わって小、中学校でも留年する生徒が出ると懸念されて、実際に出ている様ですが」
「飛び級が認められる様に成ったのと同時に、必要最低限の学力を身に付けないと何歳に成っても進級、卒業はさせないという制度に変わりましたからねぇ。また二十歳までに中学課程を修了出来ない場合は自動的に退学に成ります。ただ、この様な場合は改めてきちんと義務を果たせば人権が戻ります。強制退学させられた人も学校へは復帰出来ませんが通信教育等で中学卒業の資格を得る事も可能です。その辺が犯罪等で剥奪された者との大きな違いでしょうなぁ」
「成程。では話を戻させて頂きたいのですが、今回の野々山被告の人権剥奪、これは国民裁判によって判決が下されたわけですが」
「納税者が、国民が野々山被告に人権など不要と判断したという事ですね」
「ただ、今回の野々山被告の犯行に関しては情状酌量の余地もあるのでは、との意見も幾つか御座いまして」
「確かに、娘さんでしたか?私にも家族が居りますので、そういう意味では野々山被告が、あの様な犯行に及んだのも理解出来なくはありません。しかし、いかなる理由が有ろうとも、私刑は犯罪。その為にも【PR】という制度も設けられた訳ですから」
「【PR】、パブリック・リタリエイション(*04)ですね」
「それを利用すれば合法的に報復も可能な訳で。ですが野々山被告は、随分、前でしたかねぇ。とある討論会で被害者遺族に対して、とんでもない暴言を…」
「御遺族の神経を逆撫でする様な発言が物議を醸した事が有りましたね」
「因果応報。野々山被告も今なら、その御遺族のお気持ちが痛い程によく解るのではないでしょうかねぇ」
*04、PR(パブリック・リタリエイション)/詳しくは第2章で。
コメント
早く続きを~
大阪の永ちゃん狂い♪さん♪^^毎度です
うぅ~っスミマセンこの後で完全に行き詰まっております
話の流れは、ほぼ出来ているのですが文章化に偉い手間取っておりまして気長にお待ち頂けます様ヨロシクお願い致します