6月初頭、オフィシャルで発表された告知は日本全国のYAZAWAファンをガッカリさせた。
ミスター・ギブソンの言ってた噂が現実となったのだ。
2008年、矢沢永吉はアーティスト活動を1年間休業すると宣言。
ニュー・アルバムも出さない。コンサート・ツアーもやらない。「毎年出る!」と言っていた夏フェスにも出ないという事になったのだ。
それを知り絶句する者、落胆する者、中には本気で泣き出す者も居り敏広達も事前に噂を聞いていたとはいえ、やはりショックを隠せなかった。
「やっぱりギブさん情報は正確だな………」
YCから送られてきたメールを読んで溜息を吐く裕司。
直後に届いた麻理子からの『どうしよう?澄子さんにも伝えた方がいいかなぁ?』というメールの返答に悩む。
だが、その時、既に千晶が事の次第を澄子にメールしてしまっていた。
その時、澄子は『そう。残念だわ』と一言だけ返信。
そして毎年恒例の眞由美のバースデー・パーティー。
「何だって1年丸々休むのよもうっ!!」
本日主役の眞由美が憤るので此処でも話題は年内活動休止の事ばかりになってしまった。
「せめてライヴだけはやって欲しかったよなぁ!」
「あぁ!新譜やフェスなんて要らないから武道館、城ホ位はやって欲しかったよ」
「1年も休む事無いわよねぇ!休養なんて半年も有れば充分でしょっ!」
「だけど永ちゃんも来年は還暦だぜ。そろそろ身体のアチコチ、ガタ来てんじゃねぇの?」
「俺も最近、足腰が痛くてさぁ!」
「アンタの身体なんてどうだっていいわよ!」
「眞由美姐さん、そりゃ非道い!」
「ママ、折角のバースデー・パーティーなんだからもう少し機嫌直してよぉ」
そんな中、千晶が
「澄子さん今年はダメになっちゃったけど来年は一緒に行こうね!」
「えっ?………えぇ」
突然、振られて返答に戸惑う澄子。すると
「俺もお誘いして宜しいですか?勿論チケ代は俺が持ちますから!」
以前、新年会で澄子に最初にプロポーズ(笑)《189参照》してきた男が同伴を申し出てきた。
「あっ!じゃあ俺も」
「俺も俺も!」
「私も澄子さんと一緒に観たいなぁ」
「ウチも一緒したぁい!」
次から次へと澄子とのコンサート参戦を希望する者が名乗りを上げる。
「凄ーい!澄子さんモテモテ!」
「武道館5日間制覇出来ちゃうんじゃない!?」
「じゃあ俺、澄子さんと最終日!」
「ずるーい!私がそのつもりだったのにぃ!」
「じゃあ私は4日目、澄子さんの隣、予約ねっ!」
「じゃあ俺…」
「俺、3日目!」
「きたねぇぞお前!」
「うるせぇ!早いもん勝ちだっ!」
「それじゃ私は意表を付いて還暦ライヴの時、澄子さんをお誘いしようかな!」
「そういえば還暦は何処でやるのかね?」
「ドームじゃない?」
「いや横浜だろ?」
「浜スタ?」
「いや横浜国際」
「あぁ、あり爆の時のね」
「俺は国立でやって欲しいなぁ!」
「あそこって年に1回しかコンサート出来ないらしいね」
まだ不確定な翌年の話で盛り上がっていると
「ど、どうしたんですか澄子さん!?」と愛美。
何故か澄子は両手の平で顔を多い泣き出してしまった。
コメント
「あぁ!新譜やフェスなんて要らないから武道館、城ホール位はやって欲しかったよ」
このセリフはうれしかった
大阪の永ちゃん狂い♪さん♪^^毎度です
あの時は多くのファンがそう思った事でしょう
この第伍章も佳境に入ってきますので、これからもヨロシクお願いします