ネット小説☆女達のトラベリン・バス☆037

宴が始まって1時間が経過した頃


「そろそろ来る筈なんだけど」と真純。
「誰かいらっしゃるんですか?」と里香。
「うん」
「えぇ?誰が?」と眞由美。どうやら眞由美も事前に聞いてない様だ。
「来たら判るわ」何かニヤついている。


その時
「こんばんはー!」
敏広がいつもの様に勢い良く入ってきた。
続いて賢治、そして裕司も今日はいる。
「来た来た!さぁ入って入って!!」
真純が3人に駆け寄る。
店内を見た敏広は一瞬ギョッとした。
「な、何スか?このアマゾネスな雰囲気は?」
真純に腕を掴まれ奥に引きずりこまれる敏広。
「皆さんお待たせ~!オ・ト・コ・よぉ~~~~!!」
真純の怪しげな物言いに黄色い歓声を上げる真純の友人達。
「あ、俺ちょっと急用思い出しました」
「コラァ!!」
女性とは思えないドスの効いた声を上げ引き返そうとする敏広の襟首をムンズと掴む真純。
その引き寄せる力も男顔負けである。
前日にタダで飲ませてあげるから8時にOYHに来いと真純からメールが来てタダ酒に釣られて来てしまった3人。
「今日はアンタ達ホストだからね。ちゃんとアタシ等をもてなしなさいよ!」
「どうゆう事だよ敏広!?」と賢治と裕司。
「俺が知るかよっ!」
「さぁいいからいいから。賢治君はあっち!」と真純に誘導され賢治は里香と真純の友人1人の間に。
「裕司君はそっち!」裕司は麻理子と遥子の間に。
「アンタはここ!」と言われ敏広は真純と友人3人の間に押し込められた。
「あ、俺あっちがいいです」と言って遥子達の方に行こうとする敏広。
「アンタに選ぶ権利は無い!!」
両肩をガッチリ掴まれて動けない。
「愛美ちゃん助けてぇ~~~!!」
だが愛美は聞こえないフリ。
永悟はその光景に絶句していた。
「気にしない気にしない」と愛美。
「は、はぁ」
今日は永悟が大人の現実を垣間見た記念すべき日ともなった。


「まぁあっちは放っておいて」と拳斗。
「自分から行動を起こさなければ何も変わらないぞ」
「そうね。自分が変われば周囲も自ずと変わってくる物よ」と愛美。
「やり方は何だっていい。大事なのは具体的な意思表示と行動力、そして結果を出す事だ」
「僕・・・やってみます!」
「さっきより良い顔になったね」と愛美。
「そ、そうですか?」
愛美の言葉に嬉しそうに、はにかむ永悟。


《どうやら大成功な様ね》
眞由美は改めて今日の企画の成果に満足すると共に仲間の有難味を実感していた。

つづく

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