ネット小説☆女達のトラベリン・バス☆048

携帯が鳴り出した。

帝国のマーチ、いわゆるダースベイターのテーマの着メロに舌打ちをしつつ電話に出る。
「もしもし」
「よーぅ、よーぅ、おめぇ等、今、何してんだYo-っ」
声にも喋り方にもウンザリしたくなる。
「あぁ、ちょっと・・・」
「何だよおめぇ。俺に内緒かYoーっ!」
「いや、そうゆう訳じゃ・・・」
やっぱりヤクザの兄がちらつく。
仕方が無いので今日の計画を話す。
「面白そうじゃねぇか!俺も混ぜろや!」
「えぇ!?」
電話が切れた。
「アイツか?何だって?」
「混ぜろだってよ」
「あぁ~マジでかぁ!?」
その時、土手の上に一人の人影が見えた。
「おい着たぞ!」
声を潜め物影に隠れる4人の影。



「何なんだよもう・・・」
3コール鳴った所で只今、電話に出る事が出来ませんとゆうアナウンスが聞こえてきた。
電話を切る。すると直ぐにメールが届いた。


『野球場の真ん中まで来て』

「おい千晶!」
大声を出す永悟。
「居るんだろ?何でこんな面倒な事するんだよ!」
だが全く返事が無い。
辺りを見回しても人影らしき姿は何処にも無い。
仕方なくメールの支持通りに永悟はグランドに向っていった。


既に日は沈み辺りは暗く視界が悪い。
雑草に時々、足を取られそうになるのでゆっくり土手を降りてゆく。
ピッチャーマウンドの辺りにまで行くと突然携帯が震えだしたので画面を見る。
「母さん?」
里香からの通話の着信であったので通話ボタンを押す。

「もしも…」

通話を始めようとした、その時
「!」
何かが飛んできて永悟の肩を掠めた。

「なっ!?」


石であった。
何者かが永悟に向って無数の石や物を次々に投げつけてきた。
直撃は受けてないが堪らず永悟は距離を取ろうとして多摩川の方へと走り出す。


「また逃げるのかよウドの大木!」
声と共に投石が止んだ。
立ち止まり振り返る永悟。
バックネットのフェンスの前に4人組と同級生の葵、そして猿轡をされてる千晶がそこに居た。

つづく

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