「反対反対反対反対反対反対反対反対!全く冗談じゃないわっ!」
愛美の結婚相手が洋助だと知った途端に態度を急変させる眞由美。
「そんな!眞由美さん…」
「洋助さん、いい人じゃないですか!」
「いい人とかそうゆう問題じゃないの!私は絶対に許しませんからねっ!!」
「そんな事、言ったって、私のお腹の中には、もう………」
「ええぇっ!?」
愛美の衝撃の告白とも言える言葉に絶句する一同。だが
「冗談よ」
だぁ~~~~~~~~っ。
脱力する一同。
「と、とにかく!私は絶対認めないから諦めなさい!」
「んな事言っても、もう先方にも挨拶済ませちまったぞ!」
「だからどうしてアンタは、そうやっていつもいつも大事な話を私に断りも無く勝手に進めるのよっ!!」
「痛ててててっ!!」
ネクタイと口髭を同時に引っ張られ涙目になる影虎。
昔から影虎は仕事も家庭も独断専行で進める癖が有り、その辺も二人の離婚の理由の一つであった。
尚、麻理子のバースデー・パーティー等で触れられる事が無かったのだが、洋助は、この年の4月から東京本社に転勤。
これがキッカケで愛美が父、影虎と合わせると二人は意気投合。そのまま勢いで結婚話が出て愛美もアッサリ同意したのだった。
「大体アンタいつの間にアイツとそんな関係になってるのよっ!?」
これにはカウンターに居る3人がキョトンとする。
「あの、眞由美さん本当に御存知無かったんですか?」
「何が?」
「いえ、ですから愛美ちゃんと洋助さんが付き合って…」
「えぇっ!?遥子ちゃんは知ってたの!?」
「……えぇ」
「まさか麻理子ちゃんも?」
「あぁ、はい…」
「里香ちゃんも?」
黙って頷く里香。
「何で私だけ知らないってゆうのよぉ~っ!!」
黒、赤と色違いで同じタイプの眼鏡のフレーム。また六郷土手に愛美のバイクに乗って一緒に来た事等、洋助と愛美の接点を裏付ける事実に関して眞由美は鈍かった。
因みに裏の非常口ならいつも鍵が開いてる事を洋助に教えたのも愛美である。
「それに何だってよりによって、あんなの選ぶのよっ!?男なんて他に幾らでも居るでしょっ!!」
「だって彼…」
今度は妙にウットリとした表情を浮べる愛美。
「とっても上手なんですもの………」
両頬に手を添え熱い吐息を、ため息混じりに漏らす。
それを聞いて思わず赤面する一同。
「止めなさい生々しい!!」
「?、料理上手って話の何処が生々しいの?」
沈黙する一同。
「………アンタわざとやってるでしょう」
眞由美はこの時、初めて自分の娘に対して殺意の様な物を覚えた。
「ってゆうかアンタまだ学生でしょっ!学校どうするのよ!?」
「勿論卒業するわ。それに学生が結婚出来ないなんて法律、無いじゃない」
「うぐ………」
何としても、この結婚を阻止したい眞由美。だが眞由美に有利な条件は何一つ無かった。
「と、と、とにかく!私の目の黒い内には絶対に許可しません!どうしてもとゆうなら私を殺してからになさい!!」
物騒な事を言う眞由美。そこに
「子離れ出来ない親程みっともない者は無いぞ!」
拳斗が来店した。
「よーう若林の!」
「暫くだな」
影虎とグータッチをする拳斗。
実は影虎も空手の有段者で出身道場は別だが旧知の仲であった。
「あのねぇ!私が言ってるのはそうゆう事じゃ無いの!!」
「あぁ!それワシの!」
眞由美は影虎のグラスを取り上げスコッチのストレートを一気に流し込んだ。
ゴトッとカウンターの上にグラスを置いては乱暴に口を手の甲で拭う。
「そりゃ確かに愛美が誰と結婚しようと自由よっ!仮にそれで不幸になったとしてもそれは愛美の責任だわっ!だけど洋助と結婚となると私はアイツのねぇ!!」
「お母さん!!」
「そう!お母さん!!………」
突然、聞こえてきた方に恐る恐る顔を向ける眞由美。
「………って、ぎゃあーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
水島洋助。また今日も裏の非常口からの登場であった。
コメント
おもしろい~☆☆☆
最近のドラマは面白くないので是非、ドラマ化を!!
Chinatownさん♪^^ありがとうございます
自分としてもドラマ化して欲しいですが
どっかのテレビ局でやってくんないかな(笑)
ついでにオレに脚本、演出やらせて欲しいです(爆)