話を聞き終えると麻理子は感動して泣いていた。
里香もハンカチで目頭を押さえ遥子も珍しく瞳が潤んでいる。
「いや、嫌だわもう!こっちが恥ずかしくなってくるじゃない!」
3人の表情に柄にも無く照れまくる眞由美。
「だって拳斗さん全然話してくれないから」と麻理子。
あの時、拳斗は何も言わず眞由美が目を覚ますと逃げる様に帰っていった。
その後、二人の馴初めが気になって仕方が無い里香達3人は嫌がる眞由美に強請って話をして貰ったのだった。
「でも眞由美さん積極的ですねぇ」
「カッコイイです!!」
「凄いなぁ。私はとても真似出来ない」
「若かったのよ。ってゆうか青かったのね」
「それに拳斗さんって自分からは言ってくれなさそうだもんね」と愛美。
「なーに判った風な口聞いてるのよ!」
「でも拳斗さんってやっぱり男らしいですね」
「ホント素敵・・・」
「そりゃ私の相方だもの!」と自慢げに胸を張る眞由美。
「そりゃ私の初恋の人だもの!」と愛美が真似をする。
「ええぇーーーーっ!?」
口をあんぐりと開ける3人。この日は愛美に驚かされてばかりである。
「らしいのよねぇ」と呆れ顔の眞由美。
「だから中学の頃はママがホント憎らしかったわ!」
母に似たのか小さい頃からオシャマで同世代の男子に全然魅力を感じていなかった愛美は拳斗が醸し出す大人の雰囲気と実の父親とは違う父性の様な暖かさに当時メロメロになっていた。
「一度はママから本気で奪ってやろうと思ったわ。だけど拳斗さん、私が処女をあげるって言ってもママに悪いって相手にしてくんないんだもん。だから諦めたの」
「・・・だからアンタ他に言い方無いの?」と眞由美。
生々しい告白にカウンターの3人はちょっと引いてる。
「それだけ拳斗さんはママの事を想ってるって強調してるのよ」
「馬鹿ね・・・」照れ笑いが浮かぶ。
愛美は横浜の高校を卒業すると都内の大学に進学。
合格祝いに愛美はガレージに眠っていたカワサキZ2が欲しいと言い出し眞由美がキーを渡してくれた。
また愛美は通学の為に元々住んでいた父、影虎の家に戻り、それを機に眞由美も横浜の実家を出て川崎の賃貸マンションに引っ越す。
一度は拳斗と一緒に暮らす事も考えたが互いの生活のリズムが合わない事に加え拳斗の仕事が不規則であるが故に敢えて同居はせず、未だに籍も入れていない。
「結婚はしないんですか?」
「もうその必要は無いわ」
麻理子に答えると眞由美は店の扉の上に視線を向けた。
拳斗との絆。昔は店の奥にあったタオルは今ではそこに飾られていた。
尚、女トラの年内更新は今回迄とさせて頂いて次回、126は来年1月2日を予定してますんでヨロシクです
またblogその物の更新は年内も続ける予定なんで併せてヨロシクです
コメント
女トラの更新お疲れさまです

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もう125回になるんですね
登場人物がそれぞれとっても魅力的で〈あの双子ちゃんも何だか笑っちゃって憎めない~
永ちゃんの曲や色々な時代に絡めたストーリー展開は凄いですよね
次の更新はお正月二日ですね
わくわく楽しみにしよう~っと
ぺこちゃん♪^^毎度です
まだ半分にも達していませんが自分でもよく続いてるなと、それとキャラ立ちも我ながらよく出来てるなと思っております(笑)
>あの双子ちゃんも~
鴨川ブラザースは途中で急に思い付いたキャラなんですがこれ程出番が有るとは作者も予想しておりませんでした
また来年もヨロシクお願いします