ネット小説☆女達のトラベリン・バス☆205

病院の駐車場にシーマを滑り込ませると真純はキーを付けっぱなしのまま運転席から飛び出した。

「真純さん、こっちです!!」

救急の搬送口で叫ぶケイコの方に駆け寄る。

「様子はどう?」

息を切らせながら問う真純。

「意識は無かったですけど心臓は止まってないってアヤが……」

早歩きで中へ。
奥へと進むとソファにはケイコの仲間が4人居た。

「お疲れ様です!」

全員一斉に立ち上がってお辞儀をする。

その日、ケイコが仲間達とカラオケで盛り上がっていると澄子から携帯に電話が掛かってきた。

応答するも何か呻き声の様な嫌な吐息が聞こえたので異変を感じ皆を連れて車で神崎宅へ。

幸い合鍵を預かっていたので開錠して中に入ると倒れている澄子を発見。

救急車を呼ぶより自分達で搬送した方が早いと判断。そのまま女5人で澄子をこの救急病院まで車に乗せて運んでくれたのだ。
しかも仲間の一人のアヤがこの病院の元ナースで移動中に携帯で全ての手配をしてくれたお陰で澄子の救急処置は思いの外スムーズに事が進んだ。

「何にしてもアンタ達本当にありがとう!よくやってくれたわ!」
「とんでもないです!」

その時、ドアが開きドクターが出てきた。

駆け寄る真純達。

「御家族の方で?」
「いえ、友人です!で、澄子さんの様態は?」
「まだ意識は戻ってませんが命に別状は無いでしょう」

一斉に安堵の溜息を吐く真純達。

「ただ……」
「……ただ?」
「今の段階では何とも判断しかねますが一度、精密検査を受けた方が宜しいかと。もう無理の効かないお年ですから」

その時、真純から連絡を受けた寺田兄弟が現れた。

そして、そのまま澄子は入院する事になり意識が戻ったのは搬送された2日後の事であった。

当然、武道館への参戦は断念。周囲には澄子に急用が出来たと真純は伝え入院した事実は拳斗と眞由美だけにしか話さなかった。

年が明けて2週間後に澄子は退院。

入院中に様々な精密検査を受けるも特に異常は見つからず、その結果は真純や徹、護を一安心させた。

だが退院後の澄子からは以前の様な若々しさが殆ど感じられず一気に老け込んだ様に思えた。

つづく

コメント

  1. ぺこちゃん より:

    前回、澄子さんがどうなってしまうのか!? 心配でいまかいまかと更新を心待ちしていました。武道館参戦出来なかったのは、残念ですが、無事で良かったです(^^ゞ
    続き楽しみにしていますね(〃⌒ー⌒〃)ゞ

  2. Baybreeze より:

    澄子さんといろいろ被って身につまされてますが、今回の『精密検査を受けるも特に異常は見つからず、その結果は真純や徹、護を一安心させた。だが退院後の澄子からは以前の様な若々しさが殆ど感じられず一気に老け込んだ様に思えた。』はドキっとしました。真純や徹、護を子供の名前に置き換えるとまさに私でした(^^ゞ澄子さんを通して復活の仕方を教えてくださいませ。

  3. 大阪の永ちゃん狂い♪ より:

    ほんまに澄子さんが無事で良かった

  4. AKIRA より:

    ぺこちゃんさん♪^^いつもありがとうございます
    今回の205は大分前に書き上げていたのですがリアルに忙しくて最終チェックが捗らなかったもんで更新が遅れました
    女トラに関しては悲惨な結末だけは無いと保証しますので今後もヨロシクお願いします

  5. AKIRA より:

    Baybreezeさん♪^^いつもありがとうございます
    http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=BayBreeze
    何だか女トラとシンクロされてる様でチョット怖いのですが(笑)
    復活に関しては・・・・・先を読んで頂ければとしかお答え様が無いもんでして今後もヨロシクお願いします

  6. AKIRA より:

    大阪の永ちゃん狂い♪さん♪^^毎度ありがとうございます
    ケイコの気転と何より澄子自身の強い意思のお陰だと思います
    これからもヨロシクお願いします

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